井筒屋の道路を隔てたすぐ北側に「小倉京町こまち通り商店街」はあります。個性のある専門店街として一部の人に知られてはいましたが、整備される前は道幅4.5mの名もない狭い通りでした。道の両側には電柱が林立。上空は電線類が縦横無尽に覆い、路上の汚さ暗さと相まって雑然とした雰囲気を醸し出していました。そのため個々の店の努力に関わらず、通りとしての存在感はなく、進んで通りたい道ではなかったと思います。今から25年前、地元有志(当時の若手?)が立ち上がり、その熱意に行政、さらに関係機関・コンサルタントも参加して頂いて、路面のカラー舗装・電線類の地中化・照明デザインの実現化をよび、すっきりした空が屋根のオープンモールに変身させることができました。(完成した平成13年3月当時、北九州市で唯一、住民と地元事業者の強い要請で電線の地中化をした通りと言われていました)
これにより、通りとお店の魅力的な関係が構築され、通りを挟んだ両側の商店交流が芽生えた。さらに夜は美しい光りのトンネルが誕生し、これまでのイメージを一新しました。この「小倉京町こまち通り」の名称は、この通りの完成を契機に名付けられました。名付け親は当時17歳だった地元商店主のお嬢さんのアイデアでした。その意味は「20数店舗が並ぶ小(さな)街」、「個性のあるお店が並ぶ個街」、そして、「旧町名「こめまち(米町)」の「め」抜き通りになろうという夢を持ったこまち」の3つの理由から決められました。
ちなみに、第2回の北九州市都市景観賞にも選ばれました。選出理由は「電柱から広がった電線が上空を蜘蛛の巣のように覆う雑然とした一角が、昼間はすっきりとした通りやすい道に、夜になるとオレンジ色の街路灯が、落ち着いた雰囲気を醸し出す素敵なスポットになったから」だったそうです。
商人(先輩方)の心意気とそれを支援し、実現し新たな商店街コミュニティを構築した、地区住民・行政・関係機関・コンサルタントの皆様のおかげで、現在の小倉京町こまち通り商店街はあります。
出会いに、そして、繋がりに感謝です。